ニコニコ動画でアニメのビジネスモデルを作るには

はじめに
イヴの時間」という新しいアニメが始まり販売手法も実験的な方法みたいなので、はてなでも色々議論されているようですが今後ニコニコ動画でどういうようなアニメビジネスを展開していくか、そしてどうやって成り立たせていくかをこの記事では考えます。

アニメ業界の現在のやり方
普通の1-2クールで成り立っているアニメの場合:

  • テレビで放送される
  • CMでDVDや原作が連載している雑誌の宣伝をする
  • DVD、CD、関連商品が売れることで費用を回収する

主にこのような流れだと思います。

テレビの根本的な問題
とにかく多人数に宣伝できるという面ではどこにも負けないと思います。しかしお金の流れに関しては少々疑問を持ちます。これは色々な記事で議論されてきたので別にここで語るまでもないでしょう。

アニメ制作に関する資金の流れ/(経済産業省)
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5000万円 
├───→1000万 広告代理店(電通
↓ 
4000万円
├───→2000万 放送局(キー局)
↓ 
2000万円
├───→1200万 放送局(地方局)
↓ 
800万円
├───→数百万 元請けプロダクション ※実際の制作費は1000〜1300万
↓ 
下請け
├───→数百万 下請けプロダクション
├───→1.6万〜 声優(30分アニメ1話) ※新人は8000円
└───→3万〜 アニメーター(月収) ※原画なら動画より上
BAMBOO BLADEの製作会社の現状
アニメ製作会社の内部資料が流出
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51070285.html

ネットの弱み
動画配信サイトはいくつかありますが、ニコニコ動画の場合一応集客率は高いわけで、地方に住んでいる方でも観れるという強みがあります。しかし、テレビに比べると単純に視聴率が低い。Candyboyの時はGyaoなどの複数のサイトで配信していたようですが、多分それでもテレビが勝つのだろうかと。Youtubeでも角川が色々試みていますが、視聴率という面ではネットには限界があるということだと思います。

ニコニコ動画で何ができるか
視聴率じゃTVに絶対勝てないのなら、ネットにしかできないことを試みること、またできる範囲で色々改善していくことが重要なのではと思います。少なくとも現在どういうことをやっているのか、そしてどういうことができるかというのを手当たり次第リストしてみます。

現在実行中

  • 無料配信
  • 先行生放送
  • 配信終了後の生再放送
  • 先行有料配信(チャンネル加入)
  • ペイパービュー
  • 毎回最新話が出たら前話を配信終了(サンレッド
  • DVDを数話分販売開始した後に無料配信する(イヴの時間

できそうな試み

アクセスアップ

  • ニコニコ動画のTOPページを1日サイトジャックして、無料配信してる動画をTOPで流す
  • ニコニコ動画ニュースレターをユーザーにメールで送ってその中で動画へのリンクをする
  • 先行生放送を通常配信前に複数日続けて生放送する
  • 専用ブログパーツを作って、そこから直接一話目がまるごと視聴可能になるようにする

収益アップ

  • ニコニ広告でアニメ本編を宣伝できるようにする(ただし選べるタグはその作品のタイトルのみ)
  • 本編終了後に画面上にQRコードを表示、アクセスすると有料でおまけ映像が視聴可能
  • アニメの製作過程を一部録画し、「デジ絵の文法」のナレーターを雇って番組っぽいものを有料配信

DVD・BDの付加価値アップ

  • ディスクに生放送や無料配信時に集めたコメントを収録(コメントON・OFF機能)
  • ディスクを買ったらプレミアム会員に1ヶ月間なれる
  • 関連ラジオを放送していたらディスクにおまけとして収録する

アニメビジネスの今後
おそらく上記の方法で色々試行錯誤しても、結果的にはテレビに負けるでしょう。個人的にはテレビかネットかどっちというのではなく、両方やれるのであれば両方でやったほうが良いのだと思います。テレビ単独ではビジネスモデルが成り立たない状況ならば、ネットを上手く活用して総合的に活路を生み出すのがベストかと思います。


新しくニコニコ動画で配信開始した「イヴの時間