音楽クリエイターが対価を得る方法

はじめに
ロックな大会議から一夜明け、ニコニコ動画が原宿バージョンにリニューアルしました。ニコニコ動画の新機能としてiTunes Music Storeの商品が貼れるようになりましたね。これによってニコニコ動画にいる音楽クリエイターは作品をより効果的に宣伝し、正当な対価を得ながら活動できるようになるといいなと期待しております。この記事ではネット上で音楽クリエイターが活動費用を得る方法を今更ですが考えてみたいと思います。


1.iTunesなどの音楽配信サイトで楽曲を販売する
メジャーのアーティストの作品も販売している配信サイトへ楽曲を登録するにはかなりの手間が掛かるらしいです。ですので、インディーズや同人のレベルで登録する場合は代行会社に任せるのがデフォなようです。現在色々な登録代行会社がありますが、適当に選ぶとぼったくられる危険性が高いので、しっかりリサーチしてから登録されることをお勧めします。自分が調べてみた所、とりあえずこの二つのサービスの会社は信頼できると思いましたので紹介させて頂きます。

monstar.fm
自社で音楽配信サービスを展開しているmonstar.fmのオプションサービスです。海外の配信サイトに一括登録できます。おそらく値段はかなり良心的だと思います。

http://monstar.fm/world/

RouteR
初音ミクを生んだクリプトン・フューチャー・メディア社による登録代行サービスです。クリプトン社のボーカロイドを使用した楽曲で、タイトルやジャケットイラストにボーカロイドキャラクターを連想させる要素がある場合は、キャラクターの著作権の関係上RouteRでの登録が推奨されていません。使用する場合はピアプロリンクの登録が必要だそうです。
http://blog.piapro.jp/2010/05/routervocaloid.html

http://router.fm/pricing/

ちょっと前に自分の作品をiTunesに登録してみました。上記の二つとは別のサービス(海外)を使っていますが;

http://itunes.apple.com/jp/album/you-alone/id369594094
でもなんでだろう、ニコニコ市場で検索しても出ないのだが;


2.CDを販売する
コンパクトディスクと呼ばれるメディアに音楽を収録し、パッケージングして店頭で売る方法です。この辺は規模によってCDの制作方法が変わってくると思いますので説明は割愛させて頂きます。


3.依頼を受ける
歌に自信があるならボーカル、トラックメイキングに自信があるなら作曲や編曲などのお仕事をネット上で募集することができるでしょう。お仕事の種類はレコード会社からのオファーだったり、個人からのオーダーメイドの依頼など様々だと思います。ただ、今の日本のネット上には営業活動が安全且つスムーズに行えるポータルサイトのようなものはほとんど存在しません。ですので基本的に自分自身のサイトやブログを用意して、そこ経由で依頼してもらう方法が主流です。ニコニコ動画での人気を生かすのであれば、自分のマイリストに自分のメールアドレスを記載しておくという方法があると思います。安全性を考慮すると、クリエイターの検索から課金まで一括して行える場所が存在する必要性を感じます。


4.楽曲の権利を売る
自分が作成した楽曲ファイルの権利を他者に販売することで対価を得ることができます。権利の種類としてはその楽曲の販売権だったり、ライブでの演奏権だったり、カラオケトラックの使用権など様々です。これらは自分の楽曲をJASRAC等に登録していない場合、作者自身が管理しなければならない部分ですね。自分の場合はEryps.netという楽曲制作サイトを立ち上げ、オプションとして自分の作品のカラオケの権利を色々な方にレンタルしております。営利目的で楽曲を使用する際には、予め使用料を頂く仕組みになっております。おそらくジングルやBGMなどの素材販売もこの部類に入りますね。


5.ライブ
楽曲はプロモーションと割り切って、代わりにライブで稼ぐというのを最近よく聞きます。最近ではインターネット上のライブというのにも可能性が広がってきているので、ライブがクリエイターにとって更に重要になっていくものだと理解しています。Ustreamの有料放送にも期待です。


6.その他
カラオケ、ファンクラブ、グッズ、他にも沢山手段はありますね、しかし、どれも安定してクリエイターの活動を支えられる手段だとは思いません。CDをトレーディングカードのように売ったり、握手の権利を付加したり、売ろうと思えばコピーできないおまけをCDにくっつけてやればいいという考え方は、正直言って音楽業界の発展には繋がらないと思います。


これからのビジネスモデル
CDのセールスが低迷しているこの時代に、あんなにも長く続いたCD販売というビジネスモデルに取って代わる手段を見つけるなんて、全世界の人々の頭脳を駆使しても無理なのかもしれません。しかし現実としてCDのモデルが崩壊している以上、クリエイターがまずアイディアを出して試さないといけない。そういう時代だと思います。

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個人的にはネットの時代においては以下の条件を前提にしたビジネスモデルを作ってほしいです。

  1. 作品がフル&無料で聞ける
  2. より質の高いバージョンは気軽に買える
  3. 良いクリエイターが見つかりやすい
  4. 作者に直接寄付ができる
  5. 作品を使うとクリエイターに対価が支払われる
  6. クリエイターが特定のソフトやジャンルに依存する必要が無い

自分はニコニコ動画に上記の条件を満たす環境を作りあげる力があると思っています。今後どうなっていくか楽しみですが、今はクリエイター自身が考えて行動しなければいけない時期だと思います。