ニコニコ動画を無料のパーティーに例えてみた

はじめに
例えば無料で食べ放題のバイキングパーティーが開かれていたとする。
一部の参加者が家で頑張って作ってきた手料理を
皆でおすそ分けして成り立つタイプのパーティーである。

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嫌儲
そこに人が沢山集まってることを利用して
試食サンプルは配るけど料理そのものには金を取る業者が現れたら
そのパーティーの参加者からは反感を買う。
商売を前提にしていない場での営利活動は場の空気を壊す。


ボランティアへの還元
パーティーの参加者にとって食べ物は全部無料なのは当たり前なのだが
一部の参加者は「おいしい料理を作ってくれたボランティアには
材料費程度は払ってあげるのが、そのパーティーを継続する上で必要で、
そうしないとボランティアをしている人達の時間もお金も尽きてしまって、いずれパーティーに参加できなくなる」
という意見を持っている人もいる。
しかしパーティーの参加者のほとんどが「無料のバイキング」と聞いて集まってきたので
財布を持ってきていない場合が多い。
家に帰って財布を取りにいくのが面倒なのでボランティアには感謝はするが何も渡せなかったりする。
そういう人達は慣れてくると都合よく考え始め「ボランティアは手料理を食べてもらえるだけでも嬉しいはず」
というような意識を持ち始めていたりする。
材料費、ガス代、料理を作るために費やした時間や交通費は
全てボランティア側が負担しなければいけない状態となっている。

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運営
そのパーティーの主催側は、1ヶ月500円の参加費を一部の参加者から集めている。
そのお金はボランティアに材料費として支払われることはなく、
基本的にそのパーティー会場のレンタル費用に使われているらしい
参加者もボランティア側も基本的にそれに納得している

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違法行為
コンビニで盗んできた市販のお弁当を
パーティーで配っている参加者もいたりする
中にはそういう食品を色々組み合わせてマッシュアップ
新しい料理を生み出す職人も現れて、ちやほやされている
そこにコンビニのオーナーが文句を言いにくると
パーティーの参加者は揃って言う
「店の宣伝になるからいいじゃん」
パーティーの主催側が責任を問われて、
仕方なくそういう行為を禁止するが
パーティー会場が広すぎるため、禁止になっていても
万引きした商品をばら撒く参加者は後を絶たない。

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公式
このパーティーは場としての集客力はあるので、
企業側もプロモーションに活用できると思い、
このパーティーに参加していたりする。
パーティー主催側が公認することで、
一応企業が試食サンプルを配ることが許されるようになった。

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現状
現在日本で最大規模のバイキングパーティーであり、
色々な方面から良くも悪くも注目されている。

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まとめ

  • ボランティアによる手料理
  • 万引きしてきたお弁当
  • 万引きしてきたお弁当を材料にした新しい料理
  • 企業が参加してきてプロモーションのために配るサンプル

これらでこのパーティーは成り立っています。


あとがき
「料理のコミケ」とでも呼ぼうか。
こういうパーティーがあったら自分は参加したい。
ポテチやうまい棒ぐらいは持っていく。
行けばおいしいラーメンとかをタダで食べさせてもらえるわけだからね。
インターネット上にもデジタルコンテンツをこういう風におすそ分けできるサイトがあっても良いと思う。
…ん?

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音楽ビジネスのフリーミアムモデルを考える

はじめに
普段ニコニコ動画の新サービスについてばかり考えているこのブログだが、元々このブログが最初に読まれるようになったのは、この記事が始まりだった。

要約すると、映画館であれば違法コピーの心配はDVDが出るまでありえない、というようなことを書いた。京都アニメーションにも直接メールでこの案を伝えた。ただ、はてな民にはブックマークでかなり否定されたので、後にゲームセンターでアニメを有料放映したり、ゲーム要素を取り入れてアーケードゲームと融合するアイディアなどを提案した。

最近になって、テレビ放映したアニメをリメイクして、劇場で上映するという形式が増えてきたような気がする。あきらかに「時かけ」の時代とは異なっている。アニメ業界はまだ新たなビジネスモデルの開拓を試行錯誤しているようだが、色々試しているのを眺めるのは面白い。

そして今回別の業界の話ではあるが、「音楽ビジネスの今後」について2ちゃんねるや、はてなで話題になっているようなので、自分なりの見解とアイディアを述べようと思う。ちなみにこのブログは、たまたまニコニコ動画の話題に偏っているわけではない。少なくともニワンゴはユーザーの意見を聞いてくれる。どっかの業界のように見当違いなビジネスモデルを押し付けたりはしない。ただ、今回は自分が音楽活動をやっていることもあり、決して他人事ではないと思ったので持っている考えをまとめたいと思う。内容としては音楽のビジネスにフリーミアムモデルを適用する方法を考える。

参考資料:


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そもそも何故音楽にお金を払うのか
結論から言うと、音楽に金銭に変換できるだけの価値があるからである。では何故CDが売れなくなったのか、それには色々な理由があるだろうから、ここでは「時代の流れによって音楽の商品価値が下がった」とだけ述べておく。

音楽の価値には色々な種類がある。私自身が思いつくのは以下の5種類だ。

  • 商品価値:楽曲をCDなどに収録して売る、客はそのCDの値段と中身が釣り合っているか主観で判断して購入を検討する。値段設定に関していえばメジャーレーベルの場合、シングル1000円、アルバム3000円というバブル時代の麻痺した感覚で設定した価格のまま今もCDは売られている。違法アップロードやクオリティの低下の話を抜きにしても、今の時代の音楽は一昔前よりもあきらかにその商品価値を失っている。
  • 作品価値:楽曲に込められた思いや意味がある場合、そして楽曲が二次創作によってその世界を広げた場合、作品の価値は上がる。例えばryo氏の「メルト」はボーカロイド文化に多大な影響を与えたし、作品の価値も金銭で買えるようなものではない。沢山の人達によって育てられた、とても作品価値の高い楽曲だと思う。消費されるためだけに生まれた曲とはあきらかに異なる。
  • 希少価値:廃盤になったCD、インディーズ時代のライブ音源などには希少価値がある。オークションを例に出せばなんとなく解ると思うが、人は希少価値に対してもお金を払う傾向がある。そして希少価値はカードゲームのレアカードと同じ理屈で意図的に作れるし、楽曲自体にも希少価値を発生させることができる。
  • 付加価値:DVD付きのCDや、CDに付いているシリアルコードをネットで入力するとライブ映像が観れたり、CDのデータトラックに楽譜を収録するといった特典をよく見かけるが、これらは付加価値といえるのだろう。「おまけ」に対してさらに希少価値を加えることによって、同じCDを何枚も買わせるというぼったくり商売の例もある。個人的には音楽一本で勝負してほしいものだが、楽曲の商品価値が低くなっている中、おまけを付けるぐらいしか方法が思いつかないのだろう。
  • 作者価値:たまごに価値があるのであればにわとりにも価値がある。楽曲の作者に実力があれば、同等のクオリティの楽曲を新たに生み出す可能性もあるのだから、必然的に製作者にも人材としての価値がある。その価値が上がれば、仕事の依頼も増えるし、単価も上がるだろう。


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ボーカロイドCDを買う理由
これら5つの種類の価値をボーカロイドCDに当てはめてみよう。まず、ボーカロイドの楽曲には作者がいる。その人がCDを作る理由があるとすれば、まず第一に自分の作品を形に残したいからだろう。同時に、楽曲制作に費やした時間と機材の費用を、金銭として回収したいという意図も多少なりともあるかもしれない。CDを作る上で作者はまず絵師を手配する。パッケージ用のイラストを描いてもらうためだ。これに関してはニコニコ動画で無料公開するのとは状況が違うので、ピアプロからイラストを無償で借りてくるということは難しい。金銭が絡むのだから絵師に対して報酬を支払うのは当たり前だ。そして、描いてもらうからにはもちろん楽曲のイメージを元に描いてもらう。買う側からすれば、この時点でこのパッケージイラストは「付加価値」であり、CDの購入を検討する要素の一つになる。

次に、CDの内容を決める。これまでニコニコ動画で発表してきた楽曲を全部入れるのか、それとも一部入れるのか、アルバムのみに収録する新曲を書き下ろすのか、色々考えられる。仮に新曲を追加するとしたら、それはアルバム全体を1セットで考えるとそのCDの「商品価値」を上げる。他にもバージョンが違うものを収録したり、これまでの曲をアルバム用に手直しするなどして「商品価値」は上がる。

CDが販売されればリスナーはCDを買いに来る。作者は頑張ってそのCDの商品価値を高めようとした。しかしリスナー側はもっと根本的な価値を見出してCDを購入していたりする。それは何かというと「作者価値」だ。リスナーはそのCDを買うことによって「作者が作品作りを続けていくことができる」ということを考慮して、投げ銭感覚でCDを購入する傾向があるようだ。そのリスナー達は、収録されている楽曲に「作品価値」があるのは認めるだろうが、値段と同等の「商品価値」があるか問われたら、必ずしも「はい」とは答えないかもしれない。なぜかというとメジャーや同人音楽と違って、ボーカロイド文化では楽曲を常時フリー素材にして発表しているからだ。無料でいくらでも聞ける曲に対してお金を払う人は少ないと考える。そして、CDが寄付感覚で買われることについては、必ずしも健全なビジネスモデルではないと思う。そして、これはフリーミアムというビジネスモデルに該当しない。そもそもリスナーの良心に頼っている状態で、それをビジネスと呼べるのだろうか。


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音楽ビジネスでフリーミアムを実現するために必要な「希少価値」
ここからは私なりのアイディアを述べるが、その有効性に関しては保証できない。そして、「希少価値」に関していえば、他にも色々な手法が生まれてもおかしくないので、私の意見はその中のほんの一部と考えてもらいたい。

楽曲制作にはプロセスがある。主に作曲→作詞→編曲→ボーカル収録→ミックス→マスタリングといった順番で行われていたりする。各プロセスで試行錯誤が繰り返され、色々な試作音源が生まれる。同時にボツになって捨てられてしまう音源も存在する。あくまでCDとして売るのは完成品なので、そういう捨てられてしまった音源はゴミ扱いするのが普通なのだろう。だがイラストに例えると、それはカラーイラストの制作の過程で描いたラフスケッチを全てゴミ扱いするようなものだ。私は製作過程で生まれたラフ音源やデモ音源、そしてコンピュータ上で行われていた制作プロセスを録画した動画などは、マネタイズできると考えている。一番良い例は料理だ。料理番組や雑誌は調理の過程をマネタイズしている。

もうひとつ、「希少価値」という側面で考えていると気づく点がある。極端な例を出すと、ボーカロイドなどの楽曲はネット上で公開されると、誰でも無料でいつでも聞ける状態なので「希少価値」が無い、つまりゼロだ。しかしネット上で公開する前の段階では、その楽曲ファイルの「希少価値」はMAXだ。まだ作者意外誰も聞いたことのないレア音源である。私はここで発生する「希少価値」はマネタイズできると思っている。

前者は商品というよりもおまけだし、CDを売るための「付加価値」にもできるだろう。CDに付いているDVDにメイキング映像を収録しているアーティストも少なくない。しかし私が提案しようとしているのはCD販売という手法ではなくファンクラブや有料チャンネルといった類のビジネスモデルだ(もちろんCDという媒体も活用する)。


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有料会員には製作中の音源を公開する
まずアーティストのファンクラブ用の登録型サイトを作る。面倒であればニコニコチャンネルでも良い。そのサイトは無料会員と有料会員のどちらかが選択可能で、無料会員はアーティストのブログやPV、メッセージ動画などを観覧できる。有料会員になるにはクレジットカードやウェブマネーで課金するか、CDを購入して中に入っているシリアルコードをネット上で入力すれば一ヶ月分の会費が支払われていることになる。

有料会員は「ブログにコメントできる」というような、「付加価値」の特典が色々用意されている。しかしメインコンテンツは楽曲制作過程の公開である。有料会員はそれをリアルタイム、及びアーカイブ形式で視聴することが可能で、新曲が作られていく過程を確認することができる。また、コメントも残すことが可能で、アーティスト側はリスナーの意見を聞きながら楽曲を制作することができる。例えるなら、客は完成した料理を口にするだけでなく、その料理が作られるプロセスを注視することができる。ちなみにアーティストは全ての楽曲のプロセスを公開しなければいけないという義務はない。

有料会員は一足先に好きなアーティストの新曲を確認することが可能で、そのプロセスも観覧することができる。アーティスト側も、例えば作曲やコンペで選曲をする際に、どのメロディが良いかリスナーにアンケートを取るといったことも可能になる。制作過程を公開すれば、プロを目指している層を取り込むことも可能だろう。おそらく彼らにとっては最高の教材になる。

売り上げに関してはCD以外の収益が発生するわけで、CDが販売されていない海外のリスナーにもリーチできるメリットがある。もちろん無料会員も無視せず有料会員コンテンツとのバランスを取る。手軽に有料会員になる方法としてCDを利用することで、CDの売り上げも上がる可能性がある。何より、リスナーとアーティストの距離が縮まることで、より良い作品作りをアーティストができるようになるのではないかと期待する。


最後に
このアイディアをボーカロイドPでも実現できるように、ニコニコチャンネルでクリエイターチャンネル的なものが作れないか考えていたのですが、それはまた別の機会に書きたいと思います。あと、自分のサークルでもこのようなビジネスモデルを適用していこうと思っています。ボカロPの場合メジャーアーティストと違い、CGM文化を尊重する義務があるので、あからさまな課金ビジネスを始めるとコミュニティから反感を買います。だからこれをやるとしたらウェブ投げ銭と組み合わせるのが良いのではと考えています。そこを具体的に実行するには、CGM文化の暗黙の了解という壁をどう越えていくかという課題があるので、自分なりに試行錯誤してみたいと思います。

2010年のニコニコ動画の新機能を予想する

はじめに
この記事では2010年にニコニコ動画が新しく導入しそうな新機能を予想する。できるだけ現実的なものだけを選んでみた。

1.ニコニコリフレッシュ
ニコニコ動画の古い動画の中で再生数が2桁以下で且つ一定期間再生されていない動画は一時的にプレミアム会員じゃないと観れないようになる。一度でも再生されるとその動画は元の状態に戻る。動画の投稿者には運営側から「あと3ヶ月で消します」の趣旨のメールが来る。もし自分の動画を温存しておきたい場合は、マイページにある「リフレッシュボタン」を押せば一括でそのアカウントの動画は元の状態に戻る。しかしそれが無視されると、動画が削除される。


2.ニコニコ生放送有料アーカイブ
放送から7日間以上経った過去の放送を有料で観れる機能。1番組につきニコニコポイントを10ポイント消費することによってその番組は半永久的に視聴することができるようになる。


3.コミュニティ広告
コミュニティを宣伝できる、ニコニ広告を拡張したような機能。宣伝枠はニコニコ動画ニコニコ生放送の検索結果の一番下。ニコニ広告のスペースが使われていない場合はそこにも入れることができる。


4.ai sp@ce遠隔操作機能
ニコニコ生放送と連動して、ウェブブラウザ上からai sp@ceを試しに遊ぶことができる機能。仕組みとしては二ワンゴのサーバー上でそのユーザーのアカウントでゲームが起動していて、その画面が放送される。画面のマウスクリックとコメントでキャラクターを操作する。プレミアム会員限定機能。応用すれば他のネットゲームも遊ぶことができる。


5.ニコニコ市場iTunes Music Storeと連動・登録代行サービス開始
市場からiTMSで音楽やアプリをダウンロード購入することができる。iTunes Music Storeへの登録を代行するサービスも開始する。二次創作ではない完全なオリジナル作品はニコニコポイントを消費することでiTunes Music Storeに登録することができる。ニコニコ動画のマイページ上で売上げが管理できる。登録する場合は、そのサークルの公式サイトに専用のウィジェットが貼られる必要がある(なりすまし防止のため)。

参考URL:http://monstar.fm/world/


6.ニコニコラジオ
24時間常時放送されているM3U形式のストリーミングラジオ。時間によってジャンル別に色々な音楽がローテーションで流れ続ける。専用ページから今流れている曲とアルバムやアーティストの情報を調べることができる。この音楽は、インディーズや同人サークルなどの申し込みがあれば許可を得て放送する。基本的に作業用BGMとして利用されるがニコニコ実況とも連動しているのて、コメント付きでも楽しむことができる。開始当初はmF247の音楽を中心に放送する。規模が大きくなったら、ジャンル別にチャンネルを分ける。ボーカロイドオンリーだとか、東方オンリー、インストオンリー等々。仕組みとしてはBLACK ANGEL RADIOとまったく同じ。収益化に関してはラジオと同じように音声広告をはさむ。
http://blackangel.main.jp/index_radio.php?open=2&type=etc


あとがき
運営に対抗して10種類用意しようと思ったんですが、具体的に説明するとそれ一つで記事が埋まるので数行で説明できるものを選びました。ということで今年もよろしくお願いします。

ニコニコ生放送のタイムシフト機能について

はじめに


本日ニコニコ生放送に新機能としてユーザー生放送をタイムシフト予約して視聴できる機能が加わった。そして早速以下のような関連エントリーが投稿された。
ニコニコ動画の「ユーザーニコニコ生放送」が終わった件
ようするにリアルタイム性が売りのニコニコ生放送を非同期で観れるようにしてしまったら、リアルタイムで観る人が減るので生放送主がモチベーションを失くしてしまうではないかということらしい。今回は、タイムシフトでリアルタイム性が失われるかどうか、そして本当の意味でこのサービスが後退期に突入してしまうのはどのような状況かを考える

タイムシフト機能
http://live.nicovideo.jp/s/timeshift

ニコニコ生放送から離れる理由
よくある理由のひとつとしては若者のテレビ離れと同じで、リアルタイムで生放送番組を追い続けるのに疲れてしまうというというのがある。自分の場合はそうだった。一時期はユーザー生放送を録画したりしていたが、基本的に放送を観たり放送をしたりするのに時間が消費されすぎてしまったため、現在はあまり観ていない。

タイムシフトで何が変わる?
以下の効果があると思われる

  • 時間的に観れなかった番組が観れるようになる
  • ipodなどの携帯プレーヤーに入れて観れるようになる(はず)
  • 過去の放送を観ることで興味を持ちコミュに参加する人が増える
  • 放送が終わった後に生放送主がブログにアーカイブ動画へのリンクを張ることができる
  • 今後外部プレーヤーに対応することで、個人サイトに自分の放送のアーカイブをコンテンツとして残すことができる。
  • 生放送主が自分の過去の放送を放送中にVTRとして引用することができるようになる
  • 自分と同じ時間に放送していた別の生放送主の放送をあとでじっくり観ることができる。
  • タイムシフト視聴中もコメントできるようにすることで、非同期ではあるが生放送主がそれらを確認することでリスナーとのやり取りができる。
  • コミュニティの過去の放送への視聴リンクがコミュニティページに集まっているはずなので、コミュニティページの役割が大きくなる。
  • これまで「どんな放送なの?」と聞かれても紹介できなかったが、相手がプレミアムならURLを教えることで紹介できるようになる。
  • 新参が容易に話の話題に追いつくことができる
  • タイムシフトで録画されたものをニコニコ動画ミラーリングすることでコミュニティの宣伝ができる。
  • 観たい番組が同時に放送されても、あとで観れなかった方を観ることができる。
  • 有名な放送主が放送を開始しても、「後で観れる」のでマイナーな放送から途中で焦って退出する必要もない。ニコニコ生放送は視聴者が少なければ少ないほど、生放送主と直接対話できる機会が増えるので、逆に言えば視聴者が多い放送というのはタイムシフトで観ているのとさほど変わりがない場合がある。視聴者が多い放送はあとでじっくり観て、視聴者が少ない放送に専念できるようになる可能性がある。
  • 好きな時間に好きな番組が視聴されることによって、ニコニコ生放送全体のトラフィックの負荷を分散できる

今後実装する追加機能で他にも色々な可能性が出てくると思うが、基本的に便利になるということは確かだろう。

心配されること
先に紹介した記事には、リアルタイムで観る必要が無くなるので、いわゆる「番組はYouTubeで観ればいいじゃん」状態になるのを懸念しているようだ。確かにその可能性はある。リアルタイム視聴に更なるメリットが加わらない限り、タイムシフト機能によってユーザーもシフトされてしまうことになるかもしれない。だがこの問題はニコニコ生放送のユーザーが増えさえすれば解決するものだと思うし、今後ニコニコ動画が世界展開することも視野に入れると、「視聴者数」に関してはあまり悲観的に考えなくても良いのではないだろうか。あと、リアルタイムコミュニケーションを好むユーザーに関してだが、彼らはタイムシフト視聴では満足しないだろう。例えて言うなら音楽ライブに行くのとライブDVDを観るのでは差がありすぎるように。

本当の末期
ニコニコ生放送が終わるとすれば、それはユーザーコミュニティがなんらかの形で犯罪や事件に関わってしまう状況になった場合だ。これは本家ニコニコ動画への影響も大きい。残念ながらニコニコ生放送はその危険性のポテンシャルがかなり高い。ユーザーの個人情報の扱い方がひどいし、未成年に対しての教育も足りない。特に野外放送は一般人の顔やナンバープレートが映る。今まではアーカイブが残されなかったから証拠として残らなかったが、タイムシフトが導入されることで残ってしまう、これをどうするのか。運営サイドは7日間ルールで証拠が消えると甘く考えているのかもしれないが、7日間もあれば転載が容易になる。タイムシフトは今までライブ放送だったからこそ、隠すことができた負の部分を証拠として残してしまうデメリットもあることを是非考えてほしい。

最後に
始まったばっかりの機能は賛否両論になるのは自然だし、メリットと同じくらいデメリットがあって当たり前かもしれない。これからも増えていく新機能が薬になるか毒になるかは、やはりユーザー次第なのだろう。

ニコニコ動画の問題点から生まれる新機能その3:プロトタイプモデル

はじめに
ニコニコ動画は新しいサービスや機能を立ち上げる度に議論が巻き起こり、インターフェースの改善を行っても、いつもユーザーからは「改悪」と呼ばれる。ニコニコ動画の新サービスや新機能は、基本的にバージョンアップする際に発表する。サービスが開始すると、ユーザーからの反発があったりするので、意見などを反映していく。これまでずっとそういう姿勢だったので、バージョンアップする度にクレームの対応などが必須だっただろう。ここでの問題は、クレームに対応しているという部分である。つまりなんらかの形で被害が発生していて、ユーザーが迷惑するような状況を運営側が作ってしまっている点だ。この記事ではこの部分をどう改善するかを考える上で、システム開発の手法のひとつであるプロトタイプモデルを元に、プレミアム会員の新たの特権を提案する。

現状の運営の開発方式は何モデル?
システム開発の手法にはいくつかの種類がある。

ウォーターフォールモデル
川の流れが上流から下流に向かって流れるように開発を進めること。ただ、現実には作業の後戻りが多く、開発開始からある程度経たないとユーザーにシステムの姿が見えないことがある。

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プロトタイプモデル
システム開発工程の早い段階で、システムの試作品を作成してユーザに検討してもらい、要求仕様や使用条件などを確認する手法である。開発終了後の仕様変更を少なくする目的で用いる。

スパイラルモデル
ウォーターフォールモデルとプロトタイプモデルの組み合わせ。分割したシステムの独立性の高い部分ごとに設計、製造、テスト、ユーザ承認を繰り返す。

機能がサービスインしている状態というのは、サービスや機能によっては実被害が発生する可能性があるので、テスト段階ではない。つまり、運営側の現在の開発方式はウォーターフォールモデル。そしてサービスが開始した後にスパイラルモデルのような方式で機能追加を行っている。

プロトタイプモデルの導入を
ゲーム開発を例に出すと、ベータテストというのが行われる。ニコニコ動画のサービスにはベータテストというステージが無い。過去に唯一あったとすれば、それは新動画プレーヤーの開発の際、プレミアム会員のみがテストできる状態にした時だった。これこそまさにプロトタイプモデルで、開発終了後の仕様変更を少なくする効果があっただろうし、人件費も削減できたはずだ。おまけにプレミアム会員限定でテストさせることで多少なりとも収益に繋げるチャンスを生んだ。この開発方式を是非とも今後の新機能開発に導入してほしい。

より早い段階でユーザーに判断させる
ニコニコアンケートを使って、ユーザーにどのようなサービスや機能が必要かを確認する。「このようなサービスはどうか、なぜダメなのか」色々な意見を瞬時に集める便利なアンケートツールをすでに持っているのなら、使うべきである。これによって、ボツになるようなサービスを無駄に開発するという失敗をある程度防ぐことができる他、ユーザーの期待度が高いものから優先順位を付けて開発することができる。

ニコニコ動画事業仕分けを生放送
これはすでに川上氏とひろゆき氏達の間で検討されていることだが、ユーザーにリアルタイムアンケートで問いかけることによって円滑に議論を進めることができるのではと思う。是非実施してほしい。

@hiroyuki_ni ニコニコ事業仕分けをニコ生で公開してやる?
http://twitter.com/kawango/status/5883213119
おぉ。面白そう。マネーの虎みたいに、企画を出してもらって、予算をつけるとかでも楽しそう。 RT @Foo_san @kawango ニコニコ事業仕分けをニコ生で公開してやる?
http://twitter.com/hiroyuki_ni/status/5884621665

ネタバレにならないか
今までは新機能を大会議などのイベントで発表することで、ある程度サプライズを用意できた。プロトタイプモデルで開発すると、それがなくなる。ネタバレになることでサプライズが減るかもしれない。しかし、そのデメリットよりも、開発効率を上げることで得られるもののほうが多いと思う。

最後に
新機能やサービスが未熟な状態でリリースされることによって、実際に被害が発生してしまうことが、過去にニコニコ生放送でも世界の新着動画などでもあった。そういう被害の可能性をある程度運営側が先読みして防止策を用意できるのなら別だが、それができないのならユーザーの意見を聞きながら開発し、完成度を高めてから発表するべきである。

ニコニコ動画の問題点から生まれる新機能その2:コミュニティポイント

はじめに

ニコニコ動画内のサービスであるニコニコ生放送は、ニコニコミュニティと上手く連動して、結果的にプレミアム会員を増やした。しかしニコニコ生放送の追加機能である予約と延長は、現状の値段設定では放送主に金銭的負担が集中することになる。これでは気軽にこれらの機能を使用することはできない。だからといって値段設定を下げることは運営にとっては譲歩したくない部分なのであろう。この記事では、放送主の金銭的負担を軽減するために、コミュニティポイントという新しい仕組みを提案する。

延長・予約機能
時間帯によっては予約・延長料金は安くなるが、基本的に金銭的に余裕のあるユーザーのみが使える機能である。学生や、金銭的に厳しいユーザーはプレミアム会員にはなれるかもしれないが、これらの機能を使うのを拒む傾向があるのではないかと思う。その反面、金銭的に余裕のあるリスナーがいたりする。

ウェブマネー騒動
ニコニコ生放送では過去に色々な騒動があったが、代表的なものとしてはウェブマネーを募集するという行動を取った放送主がいて、それがコミュニティ崩壊に繋がるまでの大騒動になったことがあった。ニコニコ生放送のコミュニティでは少なくとも現時点ではカンパや投げ銭的に対して否定的な考えを持っているユーザーが多い。ニコニコポイントで投げ銭を提案した立場の自分としてはこれは正直残念な状況だ。

コミュニティにプールしておけるポイント
リスナー側が容認できる寄付の形というの考えながら色々な放送を観ていると、生放送主よりもリスナー側のほうが放送の延長を要望する傾向が多いような気がした。結論としては、そういうユーザーが延長料金を払えば良い。つまり、コミュニティにニコニコポイントをプールしておける機能を付けて、コミュニティオーナーがそのポイントを使って延長したり予約したりするようにすればいい。金銭的負担はオーナーとユーザー間で分散される。プールされたポイントはニコニコポイントからコミュニティポイントに変換され、用途が延長か予約のみに制限される。また、あまりにも多くのポイントがプールされないためにも、オーナー側でポイントの返却ができたり、リミットを設定したりできる。

コミュニティポイントを消費するサービス
予約や延長のみとなると、人気の生放送主などには沢山の寄付が集まる可能性がある。そうするとより多くのポイントを消費するようなサービスを用意する必要がある。思いつくだけ書いてみる。

  • ポイント送信機能:オーナーは他のコミュニティにポイントを贈ることができる
  • コミュニティ宣伝機能:他のユーザー生放送が終わった後に自分のコミュニティのCMを流すことができる。
  • タイムフォワード生放送:予め録画しておいた放送を生放送として指定した時間に放送する機能。特定のコメントに対してレスを用意しておくことができる。
  • ニコニコユーザー会議:

複数のコミュニティオーナーが各自のコミュニティポイントを合わせて消費し、対価として運営がドワンゴ内のスタジオと設備などを用意する。出演予定の生放送主はドワンゴ本社まで来る必要がある。この生放送番組は複数のコミュニティで合同放送できる。生放送主が司会を務め、出演者同士で雑談したり運営へ提案をしたりする。有償で運営の中の人をゲストとして呼ぶことができる(メガネは無料)。複数の生主が一箇所に集まって総出演するのでかなり盛り上がるはず。延長も、金次第で可能。一回の放送は一時間で10万ポイント。複数のコミュニティが貯めたポイントを合わせて消費することでコミュニティ間の連携が必要になってくる。この放送は、公式放送としても放送されるため、タイムシフトに対応する他、観れなかったユーザーのためにアーカイブ動画も用意される。

こういう部屋は貸し出せるはず

最後に
コミュニティポイントは、用途を制限することによりポイントがコミュニティのために消費されることをある程度保証する。ウェブマネーなどの寄付は、もらった側はそれをどのように使うかが判らない。私利私欲に使われる可能性が無いような仕組みを作ることで、ユーザー側もサービス上での金銭の介入に関して、ある程度受け入れられるようになるかもしれない。

ニコニコ動画の問題点から生まれる新機能その1:カスタムトップページ

はじめに
ニコニコ動画が始まって3年という年月が経った。いまだに赤字だが、常に色々な新機能や新サービスを投入し続け、インターネット動画投稿サービスとしては一番黒字化できる可能性が高い地位にいるのではないだろうか。しかしこのサービスにも多数の問題点がユーザーから指摘されている。そしてその多くは運営側とユーザー側の考え方の違いから発生している。運営側が企業として優先しなければいけない事に関してユーザーは基本的に無関心だ。そして、運営側はユーザーの視点に立って客観的にサービスの改善点を考えるのが難しい。全員ひろゆきのような柔軟性があるわけじゃないということだ。つまり、運営側もユーザー側も自分の視点でしか思考できていない。このシリーズの記事では、毎回ニコニコ動画の色々な問題点を指摘する。そしてできるだけ運営にもユーザーにもメリットが生まれるような機能を提案する。そして新サービスや機能というのは、壁にぶち当たる所から生まれることがあることを示したい。

トップページが広告だらけ


トップページは“広告”だらけ
西村博之氏。ニコニコ動画の運営については「海外にいて1カ月会議に出ていない僕も悪いんですけど……」とも話す
 1つはトップページの問題だ。現在のニコニコ動画のトップページに並んでいるのは、公式チャンネルから選ばれた「おすすめ」「特集」や、運営側が提供している生放送番組「とりあえず生中(仮)」、ニコニコ動画内で開催されているイベントの告知などが中心だ。
 西村氏は「一般化といっているが、トップページの8割くらいは“広告”(※編集部注:公式チャンネルの動画露出部分は広告として販売しているわけ ではないが、企業が提供する動画という意味で西村氏は“広告”と呼んでいる)ですからね。いきなりトップページに行って広告しかないようなところを誰が見 るんだろうと毎回僕は疑問なんですけど」と手厳しい
引用元:「いまのニコニコ動画には不満」--ひろゆき氏が語る3年目のジレンマ

ひろゆき氏は拡大解釈しているわけではない。トップページの公式動画のサムネイルは1枠10万円/日という価格で売られている広告枠だ。ニコニコ動画ページビューが一番集中するトップページなのだから、広告枠として利用しない手はない。

色々な広告枠があるのでソースを確認することをお勧めする。


もちろんニコニコチャンネルの開設でもお金が動く

ソース:http://skyscraper.co.jp/service/data/niconico/niconicodouga10-12.pdf

しかしユーザーにとってこの状態ではトップページを利用する気にもなれないし、一番大きい入り口をユーザーから遠ざけることで、結果的にニコニコ動画を不便にしている。

解決策:カスタムトップページ
ニコニコ動画のトップページをユーザーが独自に構築できる機能をプレミアム限定で提供する。ブログのようにスクリプトを埋め込むことができるので、各種ブログパーツに対応する他、ニコニコニュースが表示されている部分に任意のRSSを表示させることもできる。各ユーザーが制作したトップページは公開することが可能で、一般ユーザーは他人が作ったトップページを見に行くことができる。他人のトップページ上の各種リンクは、プレミアム会員でないと動作しないようにするなどの制限を付ける。一般ユーザーは今までどおり通常のトップページを使うことになるが、他人の作ったカスタムトップページを覗くことで、プレミアム会員になるモチベーションが上がる可能性がある。一般ユーザーのほうが圧倒的に割合として多いので、現状のトップページの広告効果はあまり変動しないだろう。確かに金を払えば自由にさせてくれると言わんばかりの機能だが、ユーザーにとっては「ニコニコ動画のトップページが便利」になればそれだけのメリットはあるのではないかと思う。

最後に
そういえば「広告だらけのニコ動はいやだなあ」と誰かが自分の過去のブログ記事のブックマークコメントで呟いていた。しかしウェブサービスにおいて広告は収益源の大きな柱であり、それを無視することはできない。ではせめて現金でサービスに貢献しているユーザーに対しては広告をオフにできる機能を与えてはどうか、というのが今回の提案のポイント。「こいつのトップページおもしれぇw」などと呟ける、つまりニコニコ動画のトップページがコンテンツ化することを個人的には希望する。

ブックマークコメントレス

>fukkenさん
プレミアムに対し広告OFFはやりたくないだろ。ネトゲーの広告を出すとして、一番金を落としてくれそうな層はプレミアム会員になってる層だからな。セグメント別配信できるならプレミアムだけ100倍でもおかしくない

運営上どうしても広告が外せないなら、広告の配置自体をユーザーが設定出来るようにすれば良いだけのこと。ちなみに現状ではプレミアム会員は時報やプレーヤー上の広告をオフにすることができる。夏野氏も大会議ではプレミアム会員は広告なんてクリックしなくて良いと発言していた。広告効果の拡大とプレミアム会員数の拡大、運営はどちらを重視しているのだろうか。